マジックフェスティバル
松旭斎すみえと花島一門会

国立演芸場 平成18年2月25日
●11列18番
満席


========================
プログラム
和妻
リング・リング・リング
かがみのメルヘン
なんなでトーク
花とおとめ
========================

松旭斎すみえと花島一門が勢ぞろいするのは初めてという
フェスティバルが国立演芸場で行なわれた。
開演前のご注意がおかしかった。
上演中の花束ならびに札束の贈呈はご遠慮ください、と。

出演者は松旭斎すみえ、花島皆子、花島世津子、松旭斎ちどり、
花島久美、花島みどり、花島けいこ、そして助手のみこである。
松旭斎すみえの胡蝶の舞で幕が上がる。
ジャリなのだろうがいつ見ても美しい和妻である。

花島世津子のサムタイ。
刀を持ち出して型を決めるが効果音とのタイミングか合わない。
念のため武道の師範に型を習っておいた方がいいのではないか。
赤いこよりを使ってのサムタイ。

最前列のお客に親指をしっかり結んでもらうが、
客席に降りてきてやっていたために
何をやっているかよく見えなかった。
舞台の上にあげて結ばせるべきだろう。

助手の「みこ」が立ててもっている刀通過させる。
6色の輪をみこが投げてそれを世津子が受け止める。
どうやっているのかわからないので何度見てもおもしろい。
6本の輪を揃えて最前列の客に引いてもらうと輪が外れる。

花島久美のリング。
真っ赤な衣裳の花島久美は元気がいい。
ハンドバッグや頭にかぶって陣笠などのリングの造詣である。
照明が光るシルバーのリングが美しい。

花島皆子でつぎは10本リング。
演出が永六輔ということで、
リングをテレホンショッピングに見立てたところがうまい。
リングの造詣自体はちっとも面白くないからである。

それをタオル掛けなどに見立て売るというのがおかしい。
最後は6本リングにおまけの2本、さらに2本とつけて、
しかも国立演芸場の提灯を付けて1250円という値付け。
提灯を付けるといったときに提灯の照明が点滅する。

こちらはタイミングが合っていた。
さらに私も付けますといって笑わせて終了。
花島皆子の紫のドレスの色が映える。
リングがもう一つ続く。

花島けいこの4本のフラフープである。
衣裳の色は黒、フラフープは桃色といい配色である。
輪が大きくなると見栄えはするのだが、
繋がった、外れたの現象がよくわからないのが勿体ない。

そしてすみえさんの3本リング。
リチャードロスの手順によるという。
この3本リングは、繋がる、外れるという現象が明確で
きれいな手順だった。

幕間には司会のロケット団が漫才でつなぐ。
三浦昌朗が僕は英語には強いという。
倉本剛が、じゃ学校の先生は英語でなんというかわかるかい。
テーチャー。

床屋さんは。
バーバー。
それでは不動産屋さんは。
ヒューザー。

場内爆笑。
出演者全員がステージに出てのトークショーが前半の最後。
出演者の若いころのスライドがあって
その若さと美しさは場内にため息をもらさせた。

すみえが演じていたら客から1万円の御祝儀をもらったという。
そこでその1万円札札の一部を破りとって舞台に投げ捨てた。
その1万円札を元通りに復活させたあと袖にひきあげたところ、
あとからついてくるはずの助手の世津子とみこがいないという。

見ると舞台の上でさっきすみえが投げ捨てた1万円札の一部を
一生懸命さがしていたという。
一部を破り捨てたと見せて実際には破ってはいなかったのであるが
二人は本当に破ったものだと思っていたのだといって笑わせる。

15分間の休憩後の幕開きは松旭斎すみえの鏡。
あの鏡はいいネタである。
白いハンカチが鏡の中に吸い込まれていく。
鏡のエピソードの語りがいい。

休憩後の後幕が上がった直後はまだ客席が落ちついていない。
その間を語りでつないでいく。
それからおもむろに手品が始まる。
あの鏡がほしくなる現象だった。

花島みどりの花の出現。
アップテンポの曲でダンスをしながらの流れは
みていてあきない。
さいごは舞台を花でいっぱいにしてしまう。

一つだけ注文がある。
この演目の前に司会のロケット団が
こんどのみどりの手品は今日が初演なので
暖かい目で見てくださいと言っていた。

それはいらないセリフである。
プロの仕事なのである。
アマチュアの手品の発表会ではないのだから、
そんなことはいう必要がない。

花島ちどりの中華蒸籠。
支那の夜を流してクライマックスは蒸籠より大きい壺の出現。
で最後はその壺を消してしまう。
庵主が中国風歌謡曲に心ひかれるのはなぜだろう。

久美がそのキャラクターを生かしてコミックマジックを演じる。
まずは胡蝶の舞。
胡蝶が舞わないで床に落ちると、
蝶の昼寝、といって笑わせる。

中華蒸籠を使ってちどりが演じた正調の手順に対して
コミカルな手順で見せる。
黒いゴム長靴と白いゴム長靴が出てくる、
最後はマジックテーブルから世津子が顔をだす。

花島けいこのシルクマジック。
これはきれいだった。
そして美しかった。
コスチュームが水色の帽子とジャケットに白いパンツである。

1メール角のシルクはそれと同じ水色と白でよく映える。
ばらばらの水色と白のシルクがつながったり
市松模様の大きなシルクに変わったりと見栄えがする。
プロの手品の色設計はこれでなくてはいけない。

花島皆子のアンケートマジック。
これを見るのは庵主は2度目であるがよく笑える。
手品をしない手品である。
もちろん小ネタをやるけれどアンケートの回答が傑作である。

僕の父は手品はなにかをやっていると見せかけて
本当は反対側でへんなことをやっているのだから
それを見ているとだまされることはないといいます。
僕はそんなつまらない人生を歩みたくはありません。

花島皆子をいい女だった、という回答もある。
その先は実際に舞台で見てほしい。
そしてすみえが世津子にネタを譲ったという
ロープスピリッツ。

これは面白い。
世津子が椅子に坐ったけいこを太いロープでがんじがらめに縛る。
一人の男の客を舞台にあげて目隠しをする。
二人をならべてカーテンで隠す。

するとしばらくしてカーテンを降ろすと、
なんと客が来ていた上着を
がんじがらめに縛られているけいこが来ている。
ちゃんとロープの下に着ているのである。

フィナーレはすみえのマジックである。
30年前に造ったという衣裳を着て演じる花を取りだすマジック。
オリーブの首飾りでの登場である。
松旭斎すみえが舞台にいるだけそこに華がある。

−−−−−
ヒューザーはマンション・ホテルの耐震強度偽装事件を起こした不動産会社の名前。時の人ならぬ時の会社である。