「志の輔らくご21世紀は21日」
新宿 明治安田生命ホール 平成18年4月21日
●U列15番 前売券4000円
満席。一番後列に補助席が出ていた
入りは360人ぐらいか
午後7時〜午後9時40分
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プログラム
時そば 立川志の八
ラスベガスでがす 立川志の輔
本日のニュース 松元ヒロ
死神 立川志の輔
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先月の落語のあと志の輔は昇太とアメリカにいってきたという。
ニューヨークはブロードウェーでミュージカルを見て
二晩ともどういうわけかアメリカで和食を食べたあと、
二人は次の目的地であるラスベガスに飛んだという。
ラスベガスでもそこでないと見ることができないという
ミュージカルを2本見たという。
そのタイトルが「オー(O)」と「カー(KA)」だという。
「バー」と「カー」でなくてよかった。
どちらもショーをやる劇場の装置がすごいという。
舞台全面のプールが上がってくる「オー」、
「カー」もその装置がないとやれないミュージカルだという。
そしてどちらも満足度100%の内容だったという。
この先10年間はずっとやっているので気が向いたら
ラスベガスに行ってぜひ見てくるといいと勧める。
いくらお金を持っていてもそういういいものを見ようという
気力がない人はかわいそうだという。
庵主はいまのところラスベガスに行くお金がないけれど
志の輔のいうことはまったくそのとおりだと思う。
アメリカに飛ぶお金がないときは寄席に行けばいいのである。
その場の空気を体験してこそなんぼのものなのである。
ただし、その前に条件がある。
いまアメリカはテロ対策で空港での身体検査が大変だという。
志の輔も靴下まで脱がされて、
そのまま素足で床の上を歩かされたという。
そういう囚人的な歓待に耐えられる人なら
ラスベガスに飛びましょうということである。
庵主は行列したり、裸にされてまでほしいと思うものはないから
それを聞いてアメリカに行く気は起こらないのだが。
せっかく生きているのならいい空気を吸おうということである。
そのいい空気が吸えるところの一つが志の輔らくごである。
志の輔の一席はそのラスベガスの土産話をたっぷり。
爆笑につぐ爆笑。
ラスベガスで昇太がスロットマシーンをやったら
コインが次々に出てきてとまらなかったという景気のいい話も
そのわけを聞くと場内は大笑い。
ブロークバックマウンテンみたいな二人の旅はまさに落語。
前座は志の八(しのはち)の「時そば」。
枕が花見の話で、突然「時そば」にはいったものだから、
「この枕で時そばをやるとはだれも思っていなかったでしょう」
といって笑いを取る。
志の八は端正な話し方で気持ちがいい。
「空気が乾いているから蕎麦をそそる音がよくないな」と
つぶやいてどっとわかせる。
聞いていてあきさせない噺をする。
そして志の輔の「ラスベガスでがす」である。
ラスベガスのホテルのレストランにはいったら
日本人のおばさんが給仕をしていたという。
このレストランには日本人は3人しかいないという。
志の輔を知ってる3人は大サービスをしてくれたという。
さいごに志の輔のカメラでみんなで記念写真を撮ったら、
その写真を送ってほしいと頼まれた。
送るから住所を教えてといったら、簡単よという。
ラスベガス・なんとかホテル・日本人、で届くから、と。
噺のしめくくりになってJALとANAはアメリカでは
切符をやりとりする交流がないために不便を感じたといって
客に対するサービス精神が不足しているとなげいていた。
松元ヒロの今日のニュースがはいる。
庵主が誘った知人は
以前見て気になっていた松元ヒロがここでまた見ることができて
うれしかったと感激していた。
ニュースのあとに
日野美歌の「待ちわびて」が流れる。
歌に合わせてのパントマイムはおまけである。
いつ見ても笑えるパントマイムである。
そしてとりの一席は「死神」。
場内の気持ちがただ一点、
死神の口から出る言葉を注視して
咳をする人もなく志の輔を見つめている緊張感が心地よい。
三百人あまりの観客が息をつめて
志の輔を見つめる気持ちがぴったり一つとなって
次に出てくる言葉をを聞きもらすまいと
気持ちを集中しているそのはりつめた空気がいい。
「死神」の落ちは
自分の余命であるろうそくの炎をうっかり消してしまう
ということなのだが、
その消し方が噺家によっていろいろである。
志の輔の消し方はこうである。
穴から火を消さないように出てきた主人公に死神がいう。
外は昼で明るいからろうそくの火は要らないだろう。
「あっ、それもそうだ。フッ」
志の輔は枕がおもしろい。
死神の枕は運のいい人とそうでない人。
そして、今月は寄席に客が押し寄せたという。
一つは上野鈴本で桂三枝がとりをとったという。
関西の落語家がとりをとることはなかったことなのである。
前売りが完売の人気だったという。
志の輔は二十何年か前に談志の衣裳をもって鈴本に
付いて行ったことがあるがその時の談志の話を語る。
前座がネタ帳に
その日のネタを「ぞろぞろ 談志」と書いていたところ、
談志が前座に談志を消して大先生と書けといって
前座を困らせていたという話である。
前座がこれはネタ帳ですからそれはできませんというと
談志が、
じゃ俺のことを大先生だとは思わないのかといっていじめる。
それで三十分ぐらい押し問答をしていたというのである。
志の輔は師匠の着物をたたんだりしていたら
その結果がどうなったまでは見ていなかったという。
三枝のいる楽屋に訪ねてふと二十数年まえのことが
こころに浮かんできたという。
そして、新宿末廣亭では高田文夫が10日間でていて
これが連日立ち見でいっぱいという盛況だったという。
高田文夫は、
楽屋見舞いに行った日に志の輔に頼んだという。
噺の途中で
高座から「前座、水をもってこい」といったら、
志の輔さん、水をもって出てきてくださいという。
志の輔もそれに乗って舞台に出て行ったら大喝采だったという。
落語がこうして客を集めていることはいいことです、
といいながら、
噺をしていると喉がかわくんですよね、といって
「前座、水もってこい」と楽屋に向かって声をかける。
そして出てきたのがなんと高田文夫。
場内には喝采の拍手が沸き起こる。
憎い演出である。
志の輔と高田文夫の交流は深いのである。
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ロビーゲストはピアノ演奏の沢村繁。
ピアノといってもキーボードで音を出していた。
ロビーに流れる生演奏は
心ゆたかな気分にさせてくれる。
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