「ライブっぽく」
笑いの人間交差点 BY木村万里シャッフル


新宿 紀伊国屋ホール 平成18年5月2日
●T−7 4000円
 420人
午後7時〜午後9時25分

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プログラム
      スタンダップコミック  松元ヒロ
      コント 中村まり子&オオタスセリ
      一人コント       すわ親治
      コント    ナギプロパーティー
      音曲漫才      姉様キングス
      おやぢデュオ      ペーソス
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木村万里シャッフルの第二夜はライブ風である。
きまって開演15分前に肝入りの永六輔が前説で出てくる。
小泉総理は歌舞伎とかオペラが好きなのだという。
その共通点は大袈裟で中身がないということだという。

オペラは10円拾っても100万円拾ったかのように唄うという。
そういう総理だから寄席には来ません。
寄席に来なければ庶民の気持ちはわかりませんよ、
といって観客をおだてる。

今夜の永六輔は刺し子(と思われる)を着ていた。
席がT-7だから後方の席なのでよく判別できなかったので
それは木綿か麻の作務衣だったかもしれないが
要するにカジュアル(普段着)である。

それを渋いというか、
人前に出てきて着るものじゃないというかは
意見が分かれるところだろう。
おじいさんの着るものだと思えばどうでもいいが。

作務衣などの普段着の欠点は
いい素材で作ってもそのくつろぎ感ゆえに
だらしなく見えるということである。
庵主などはジーンズ生地の傍には近寄りたくないほどだから。

それときのうは寄席っぽくということで
客席の照明を明るくしていたから気がつかなかったが。
客席を暗くするライブっぽくのときは非常灯が明るくて
目障りなのである、消してほしかった。

さあ、松元ヒロの登場である。
パントマイムが専門だったという。
が、パントマイムではラジオにでられないことが分かって
しゃべりも始めることにしたという。

私は、
護憲集会によく呼ばれるので、
平和を食い物にしているといわれるが、
戦争を食い物にしているよりはいいでしょうと笑わせる。

チャップリンの「街の灯」の筋を語るパントマイムである。
見ていてじーんくるのは
映画のせいか、松元ヒロのパントマイムのせいか。
心に残るパントマイムである。

オオタスセリ作・演出というコント。
共演は中村まり子。
中村まり子は中村伸郎の娘さんだという。
コントはある喫茶店での話である。

スセリが電話を掛けてもどってくると
自分が坐っていた席に知らない女が坐っている。
その席、私の席なんですけど、といっても
女はそれがどうかしましたかと受けるのである。

そこから始まる二人のちぐはぐなやりとりがおかしい。
そして強烈な落ちが待っている。
中村まり子の透明感のある演技はその伏線だったのである。
ラストの中村まり子に当てた照明もよかった。

すわ親治である。
すぺて無言のコントの5本立て。
無口の亭主。
尺八。

狂牛病の牛。
爆笑3歳児のTシャツ。
バーのカウンターにて。
ただしセリフが一本あったが、聞き取れなかった。

ナギプロパーティーをはじめてみる。
セリフが転々と弾むのが気持ちいい。
一つ目は犯罪捜査。
二つ目は融資のためのオーディション。

そしてひたすらおかしかったのが三つ目の犯罪謀議である。
ストーリーで語る演劇ではなく、
セリフのテンポを楽しませてくれるコントである。
だからこれはコントなのである。

姉様キングス。
上方の二人組みである。
桂あやめ(女)・林家染雀(男)とパンフに書いてある。
染雀はそめじゃくと読む。

二人とも白塗りの女姿である。
染雀の唄うときの声がいい。
芸の声である。
鍛えられた声は聞いていて気持ちがいい。

上方のねちっこさを感じる芸である。
チンコ節だったかなんとか節とかいうバレ歌をやってくれた。
映画「寝ずの番」の世界である。
他の5組の芸とはトーンが違っていた。

おやぢデュオのペーソスである。
ポーカルの島本慶、ギターの岩田○○、
そして司会のスマイリー井原の3人組みである。
司会のスマイリー井原がおかしい。

永六輔がそれを聞いて、
昔のNHKのアナウンサーの口調と同じで
おかしかったといっていたが
NHKの口調はこうして聞くとギャグだったのである。

中年男の悲哀を唄う歌詞がおかしい。
場内からしきりなしにくすくすという笑いが起こっていたのは
聞いている人が身に沁みる歌詞だったからなのだろう。
自分を見つめることができる客が多かったということである。

島本の大袈裟な唄い振りは中年男のえぐさが出ててる。
それが面白いかといえば
あざといのである。
しかし、それを最後までひっぱってしまう気合には打たれた。

ペーソスのおかしは
司会のスマイリー井原にある。
その口調のおかしさはもちろん
舞台への出入りが絶妙なのである。

歌になるといつの間にかすうーっと消えていて
実にタイミングよく出てくる。
気がついたらそこにいたという神出鬼没の司会者なのである
ときに「うっ」と合いの手をいれるためだけに出てくる。

ときにそこに立っていて豆腐屋のラッパを鳴らす。
あるいはビョーンーという音がでる楽器を鳴らしている。
司会者の出入りがおもしろいというのは初めてである。
こんどはいつ出てくるのかとわくわくしながら見ていた。