特別興行 六輔流 桃屋寄席


新宿末廣亭 平成18年5月31日
●立見 3500円
満席 260人ぐらい
午後1時〜午後4時


ぴったり4時におわった。
永六輔の進行は正確である。
新宿末廣亭の余一会である。
余一会というのは31日に行なわれる寄席の特別興行である。

寄席は上席・中席・下席と10日毎の興行になっている。
31日のある月は晦日は特別興行となる。
その余一会が「六輔流 桃屋寄席」だった。
桃屋というのは食品会社の桃屋である。

永六輔の番組のスポンサーである。
その道楽でこの寄席が実現した。
帰りに桃屋からお土産をもらった。
メンマにキムチの瓶詰セットである。

平成18年度 文化庁芸術創造活動重点支援事業
とあるから桃屋と文化庁がどれだけ費用を分担しているか
わからないがそれなら入場料をもっと安くしてもよかった
のではないかと思うのは今庵主は貧乏だからである。

庵主は遅く入ったから立ち見だった。
満席である。
2階席も開放していたからざっと260人位の入りである。
後ろで立って見ていた黒い背広を着た何人かは桃屋の関係者か。

ビジネススーツを着たお世話係の美人が一人いたが
その人も桃屋だったのかもしれない。
庵主はテレビがなくてラジオはもっぱらTBSだから
この日の寄席は公開放送みたいな感じである。

いつも声しか知らない発声人の顔が見られるのだから。
例によって開演15分前から永六輔が前説をやっている。
遠藤泰子とは放送で40年来のつきあいだという。
でも歳がよくわからないという。

戦時中のことや戦後のことを話してもよくわからないようだから
多分戦後の生まれだろうと思っていたという。
へその緒の話が出てあなたの臍の緒はどうしたのと聞いたら
空襲でなくなってしまったと答えたといって笑わせる。

最初は江戸家まねき猫である。
いちだんとふっくらしてきたようだ。
動物物真似で、永六輔がねこの盛りをやってという。
ただ舞台の上でやったのではおもしろくない。

そこで、寄席の外に出て、段々近寄ってきてという注文。
まねき猫、いったん寄席から出て
遠くからその鳴きまねで近づいてくる。
リアルである。

普通の寄席ではやらないスタイルで楽しみたいというのが
六輔流桃屋寄席である。
入船亭扇橋。
落語のあとに小林啓子とデュエット。

「空はどおして青いの」という歌を唄う。
オオタスセリ。
自分ではギターの弾き語りのつもりでいるけれど、
よくギター漫談といわれますとぼやく。

よっぱらい女の歌。
女友達の歌。
五月病の歌。
これは不評で今日でもう唄いません、来年まで。

ストーカーと呼ばないで。
など5曲を唄う。
舞台に大輪のひまわりが咲いたような全身黄色の衣裳だった。
客席に桃屋の社長がいて永六輔から紹介されて挨拶。

永六輔が曲尺(かねじゃく)禁止に反対する発言をしたとき
桃屋の社長はそれをとどめなかったという。
太っ腹なのである。
そして桃屋のCMは今でも亡くなった三木のり平である。

のり平のキャラクターをアニメで使っているらしい。
なぜ三木のり平なのかというと、
桃屋は江戸むらさきの海苔だからのり平ということで
三木のり平をCMに出てもらったのだそうだ。

現在のCMの三木のり平の声は
息子さんの小林かつのりがやっているという。
その小林のり一も客席にいて紹介されて出てきた。
のり平ソックリの顔かたちの男が出てきたからおかしかった。

おすぎとピーコである。
どっちがどっちだがよくわからなかったが、
こうしてみたらやっと分かった。
映画評論家がおすぎでファッションデザイナーがピーコである。

おすぎは「海猿」の最新作と「ダ・ヴィンチ・コード」の悪口。
時には地方に呼ばれて映画の話をしてくるという。
すると前列にはおばさんが陣取っていることが多いという。
生のおかまを見たことがないからだといって笑わせる。

映画評論家というのはそっちの気がある人が多いという。
大御所の淀川長治がそうだった。
FもMもKもそうだと実名を上げて語る。
ピーコを差し置いての毒舌である。

ピーコはこれまで永六輔からシャンソンかすといわれていたが
最近はシャンソン歌手と呼ばれるようになったという。
このとき場内から呼び出された小林のり一が
シャンソン歌手の悪口を二言三言いって即退場。

毒蝮三太夫の出囃子はウルトラマン。
落語をやるという。
「湯屋番」をみっちり。
最後は足がしびれて立てなくなる。

救援に駆けつけたのが
ハブ三太郎と大沢悠里である。
大沢悠里はあらためてトリとして登場。
漫談である。

私の話には上、中、下とありますが、
きょうは客層に合わせて下の下でやります。
物真似から下ネタまで爆笑話をみっちり。
以前聞いた圓歌の漫談もおかしかったがそれを思い出した。

馬鹿でもいいの、健康が第一ですよ。
私は脳梗塞で倒れたことがあります。
それいらい高速と聞いただけでだめです。
タクシーに乗った時に首都高使いますかと聞かれたノー高速。

私はテレビに出ません、きらいなの。
テレビは技術が遅れているから顔のエラが張って写るんです。
それに足が短く写るから。
アナウンサーとは思えないおもしろさである。

客層は、平日の昼間である。
年寄りばかりである。
これだけ年寄りがいても普段の寄席は満席にはならない。
しかし企画次第では立ち見まで出る。

帰りがけに出口で桃屋の2点セットをもらって得したことは
最初に書いたとおりである。
午後5時の回を待つ長い行列ができていた。
そこもまたお年寄りばかりだった。