おすすめの公演

庵主が見に行く公演、そしてちょっと気になる公演、さらに見巧者からの情報で知った面白そうな公演を紹介します。


趙博の歌うキネマ「砂の器」

2006年6月25日(日)一日限り
東神奈川 かなっくホール
午後6時30分
2500円


「スクリーンのない映画館」という芸があった。
いまは亡きマルセ太郎の至芸である。
どこが至芸なのか。

あるときマルセ太郎は「泥の河」を語った。
話が進むにつれて
恐い顔をしたマルセが田村高廣の顔に見えてきたのである。

映画の筋を語りながらそこはもう映画の中の世界だった。
スクリーンに映っている映画がそれを見るものだとしたら、
マルセの芸は映画の中に入ってしまう芸なのである。

マルセは癌で死んだ。
その芸を引き継いだのが趙博である。
「歌うキネマ」と称している。

マルセ太郎は在日コリアンである。
趙博もそうである。
淀川長治の映画の話は映画をなでる語りである。

趙博の「歌うキネマ」は映画を抱きしめる語りである。
映画は不良文化である、だから面白い。
その不良性を存分に味わえるのが「歌うキネマ」である。